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ANA B787エンジン部品に欠陥が見つかり1日10便欠航

B787に使用しているロールスロイス社のエンジン部品に欠陥が見つかり、8月26日から9月末までANAの国内線は改修に伴い1日10便程度欠航することになりました。欠航は計300便以上になる見通しです。
全日空はこの欠陥を今年3月ごろに把握し、改修を始めていたが、約5カ月間公表しませんでした。

「運航に影響が出るまで公表する考えはなかった。非常に多くのお客様にご迷惑をおかけし、申し訳ない」

としています。

欠陥の原因は?


欠陥はロールスロイス社製エンジンのエンジン内部で高速回転する中圧タービンのニッケル合金製タービンブレード(羽根)の腐食を防ぐコーティングが不十分なのが原因とされています。
硫化腐食で生じた亀裂により、1本のブレードで全長の7割にあたる部分が離陸上昇中に破断しました。
空気中に汚染物質が浮遊している可能性が高い、東南アジアやインドなどの空域を飛行した場合、想定よりも早期に硫化腐食が起きる可能性があるそうです。
改良した部品が年末に納入されるが、それまでは現行品に順次交換して対応するとしています。
つまり、年末までは通常の交換時期より早いサイクルで交換するようですので整備士の方が大忙しになります。
整備士だけでなく整備済エンジンをテストする方など、乗客だけでなくさまざまな人に影響します。

トラブルが発生した機体は?

発生日時トラブル発生機便名
2016年2月22日クアラルンプール発成田行きNH816便
2016年3月3日ハノイ発羽田行きNH858便
2016年8月20日羽田発宮崎行きNH609便

現在報告されているトラブルは3機になります。
ロールスロイス社は飛行距離が長い国際線のみの部品交換を勧めたため、国際線の改修を進めていました。しかし国内線でも同じトラブルが起きたため、改修対象を国内線に広げることになりました。
8月25日午前にも羽田発福岡行きのB787がエンジントラブルで引き返したため国土交通省は同様の不具合と関連がないか報告するように求めています。
おそらく同様のトラブルではないかと思います。
ロイヤルブルネイ航空の787でも2件同様のトラブルが発生しています。

B787のエンジン


B787のエンジンはロールスロイス社製トレント1000とゼネラル・エレクトリック社製GEnxの2種類あります。

航空会社B787搭載エンジンメーカー
ANAロールスロイス社
JALゼネラル・エレクトリック社

このためJALには今回のトラブルの影響はありません。むしろANAの便数が一時的に減るため利用者増えると思われます。

エンジン内の部位圧力
ファン部1.5気圧
中圧タービン10気圧
高圧タービン40気圧

3件のトラブルは、エンジンに負荷が掛かる離陸上昇中に中圧タービンの110数本あるブレードの1つに破断が発生しています。

トラブルが起きた上空の機体は?

20日に起きたNH609便の場合、羽田を離陸して3分後、高度約2000メートル上空で第2エンジンで振動が発生。トラブルが起きたエンジンを停止し、もう片方の第1エンジンのみで羽田へ緊急着陸しました。

ANAとB787保有機数

ANAは2011年に世界の航空会社で初めて運航を開始しました。国内線だけでなく、国際線も含めた路線網を拡大する切り札と位置付け、現在は世界の航空業界で最も多い50機を保有しています。
8月17日にはボーイングから50機目の機体を受けとったばかりでした。

路線機数
ANA国際線37機
ANA国内線13機

ANAはB787を世界最大となる計83機を発注しており、2020年度中に全て受領する予定です。

欠航便の対応と影響

初日の26日は対象便に3110人の予約があり、払い戻しや他社便への振り替えなどで対応しました。
26日だけで約5500万円の減収になるとのことです。
欠航が長引くと業績にも響きそうです。

所感

新製品にはトラブルがつきものですが、また墜落事故に至らなかっただけ良かったと思うべきですね。
ANAのイメージダウンも避けられませんがここは踏ん張りどころですね。
ANAやJALの株価をしばらく注視した方がいいかもしれません。
実際B787は素晴らしい機体ですので、早く改修してまた飛び回ってほしいです。

追記:ANAホールディングスよりメール配信


2016/08/27の14時過ぎにANAホールディングスよりメールを受信しましたので記載します。

平素よりANAグループ事業にご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

この度は、全日本空輸株式会社(以下「全日空」)が運航するボーイング 787 型機におけるエンジンの不具合に伴い、欠航便が発生しており、株主の皆様には大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます。 今般の欠航便の発生につきましては、安全を最優先とした全日空の自主的な判断により、エンジンの早期交換を実施することとしたために発生したものでございます。
つきましては、本件の詳細について以下にご説明申し上げます。

https://www.ana.co.jp/group/pr/787/pdf/20160826.pdf

ご利用のお客様、株主の皆様に多大なるご迷惑をお掛けいたしますこと、深くお詫び申し上げます。 引き続き安全運航を第一に、再発防止策を確実に実行し、安全確保に万全を期してまいりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。

詳細はPDFをご覧ください。

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